東旭が丘のリノベーション

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細い急な坂道を登った丘の上に建つ住宅のリノベーションである。築45年を経過し、かなり古く傷んだ状態だったが、2階の窓からは付近の山々が一望できる雄大な景色があった。この眺望を活かしたリノベーションにしたいと考えた。既存の間取りは一階にふすまで区切られた部屋が続く閉塞的な空間だった。水回りの位置は大きく変えず、部屋と部屋の間仕切り壁を取り払い、眺めの良い北東の方角に向けて広がるワンルームのLDKとした。大きな土間エントランスに階段を設け、空の見える明るいヴォイドの中を通り2階へと続く。どこからでも豊かな景色が一望でき、花火を眺めることもできる。また既存のバルコニーは残し、その隣に小さな吹き抜けを設け、ここから南側の光を取り込み1階の採光を確保している。1番の特徴は既存の軒をそのまま残し軒天の仕上げを板張りとし、そのまま室内の天井も板張りで連続させた。この軒のデザインが室内からの風景へと向かっていく広がりをより強調させている。外から見上げたときの外観は軒の板張りと大きな窓がのびやかな印象を与え、この高台に建つ家の魅力を最大限に引き出している。

設計監修
白子秀隆建築設計事務所
所在地
奈良県生駒市
用途
専用住宅
敷地面積
174.73㎡
延床面積
99.78㎡
階数
地上2階
構造
木造
竣工
2023年11月
施工
株式会社クレイル