屋移りの住居

記憶をつなぐ「敷地内での移住」
下町に建つ夫婦と高齢の母親のための2世帯住居。母親の仮住まいが体力的に難しいため、長年住み慣れた母屋で生活しながら、敷地の残余部分に新居を計画する。台形の敷地と既存母屋の間のいびつな空地の形状に沿った建物外形としている。外壁は金属板に包まれ、周辺にある大小の工場の町並みと呼応させた。また、解体跡地には既存母屋の間取りを模した外構とした。このようなプロセスから生成される「カタチ」が、土地の歴史や記憶とつながっていくことを期待している。
居場所をつなぐ「通り土間」
母親の介護動線と諸室の配列、家族間のプライバシーレベルの設定が課題であった。
玄関から母の部屋まで段差が無く、細長く天井の高い外部空間のような「通り土間」を設け、その周りをぐるりと取り囲むように諸室やテラスを配置した。緩やかな階段はプライベートな部屋同士の距離を最大限に確保する。家族間の独立性を保ちつつ、どこからでも母の様子が確認できるような居場所のつながりを獲得する。
- 所在地
- 東京都
- 用途
- 2世帯住宅
- 敷地面積
- 260.46m2
- 建築面積
- 82.00m2
- 延床面積
- 105.27m2
- 階数
- 地上2階
- 構造
- 木造
- 竣工
- 2016.09
- 構造設計
- OUVI(木佐美慶太)
- 施工
- 山庄建設
- 写真
- 上田宏





























