ツジドウのイエ

外観
外観

敷地は辻堂海岸から少し内陸に入った、湘南地域独特のゆったりとした空気が流れる住宅地の一画にある。かつては大きな庭を持つ邸宅が多い地域であったが、土地の細分化が進み、30数坪程度に分譲され、現在は多くの建て売り住宅スケールの家が建ち並ぶ。ここに30代の夫婦と2歳の子供のための家を計画する。

施主の要望は「どこにでも座れるような、使い勝手を限定しないゆるい空間」「どこか懐かしい、学校の教室を思わせるような雰囲気の家。床の仕上材にパーケットフロアを使いたい。」等であった。

建築が用途を限定せず、住み手にとって、自由度の高い空間を、できるだけ単純な形式として成立できないかと考えた。
パーケットフロアは木材の小片を市松状に並べた床材である。それぞれのピースが単純に反復しているだけだか、どこか不揃いで方向性がない。このパーケットフロアの図学的な形式が、ここに住む家族のライフスタイルのイメージを内包できるのではないかと思った。

設計監理
白子秀隆建築設計事務所
所在地
神奈川県藤沢市
用途
専用住宅
敷地面積
117.85㎡
建築面積
46.37㎡
延床面積
92.74㎡
階数
地上2階
構造
木造
竣工
2011.03
施工
日本住研
写真
上田宏