ミタカのイエ

三鷹駅よりすこし離れた、一般的な住宅地に建つ、夫婦とその母の為の2世帯住宅である。施主の要望は母が車いすを使用するため、介護のしやすい動線と、友人を招く事のできる広さを確保することであった。このような条件のなかで、廊下などのないシンプルで広がりのある空間をつくりたいと考えた。
ただ部屋の並んだだけの単純な平面
介護が必要といったときに、プライベートの領域が強くなり、パブリックな領域との差が大きくなるのが一般的であるが、ここでは介護の為の母の部屋や、玄関・納戸といった本来、バックスペースとなる場所も、リビングやダイニングと同じようなひとつの部屋と考え、ただ部屋の並んだだけの単純な平面となっている。
気配の感じられる家族の距離
それぞれの部屋の各面には、車いすが十分通ることのできる開口があけられており、建具はそで壁の中に引き込むことができる。建具を開け放つと十字またはT字のそで壁が残りながら、開口越しに各部屋が断続的に連なる。どの部屋にいてもお互いの気配が感じられ、夫婦と母との近すぎず、遠すぎずといった家族の距離を保つことができる。
- 所在地
- 東京都三鷹市
- 用途
- 専用住宅
- 敷地面積
- 296.13㎡
- 建築面積
- 92.74㎡
- 延床面積
- 109.99㎡
- 階数
- 地上2階
- 構造
- 木造
- 共同設計
- 横尾真/OUVI
- 施工
- 高橋建築
- 写真
- 上田宏
- 受賞
- 住まいの環境デザインアワード2009:東京ガス特別賞
- 第30回INAXデザインコンテスト:銀賞



















